昔から空き巣が不正解錠する手口として使われることの多い「ピッキング」。
本来は認可された鍵屋しか持っていない道具を使って行うものですが、実は針金などを加工すれば似たような道具が作れてしまいます。
この記事ではそんなピッキングがされやすい鍵やされにくい鍵・その他の不正解錠手口について、ご紹介していきます。
ピッキングとは?
ピッキングは「ピック」「テンション」という2つの道具を使って鍵を不正開錠する方法のことを指します。
この道具は認可された鍵屋しか使えないものなのですが、針金などを加工することで似たようなものが作れてしまいます。
そのような道具を作ってピッキングによる不正開錠を行うのが、空き巣の手口として当たり前になっています。
ピッキングされやすい鍵について
ピッキングされやすい鍵としては以下があります。
- ピンシリンダー
- ディスクシリンダー
ピンシリンダーやディスクシリンダーといった鍵はピッキングがされやすい鍵の代表になってきていますね。
ここからは、上記のピッキングされやすい鍵に関して解説を行っていきます。
ピンシリンダー
片側だけがギザギザになっている鍵を使って開けることができるのがピンシリンダーです。
南京錠なんかにも使われているタイプの鍵で、内側のピンの数でピッキングに対する耐久性能が変わってきます。
ピンの数が5本ぐらいしかない南京錠ぐらいのものだと簡単にピッキングされてしまいますね。
ディスクシリンダー
美和ロックという鍵メーカーが作った鍵で、両側がギザギザになっている鍵を使って開けることができます。
1950年から2000年まで広く普及した鍵で、ちょっとしたアパートになんかには2024年現在でも使われていたりします。
こちらもピッキングされやすい鍵なので、未だに使っている鍵がディスクシリンダーの場合は交換を行ったほうが良いぐらいです。
ピッキングに強い鍵について
ピッキングに強い鍵としては以下があがります。
- 電子錠
- ロータリーディスクシリンダー
- ディンプルキー
電子錠やロータリーディスクシリンダー、ディンプルキーといった鍵がピッキングには強いです。
下記では上記のピッキングに強い鍵について、事細かにお話していきます。
電子錠
専用のカードキーやスマホなど使い電子的に開錠できる電子錠は、鍵穴が隠せるためピッキングに強いです。
実際に電子錠をピッキングする場合、わざわざカバーを外して中の鍵穴をピッキングする必要があるため、かなりピッキングしているのが目立ってしまいます。
鍵穴が目立ちにくいだけでなく、物理的な鍵を持ち歩いたりする必要のない電子錠はかなり便利でもありますね。
ロータリーディスクシリンダー
ディスクシリンダーを開発した美和ロックが、ピッキングに強く自社のみからしか販売していな特殊構造の鍵がロータリーディスクシリンダーです。
内部に設置された9枚×9列のロータリータンブラーによって、よりピッキングがされにくい鍵になっています。
また元の鍵がディスクシリンダーからだと交換しやすい鍵になっているので、未だにディスクシリンダーを使っているならこちらへの交換がおすすめです。
ディンプルキー
鍵の表面・側面にギザギザではなく丸いくぼみを作り、そこと鍵穴のピンが合うことで開錠できるのがディンプルキーです。
このディンプルキーにはなんと1000億通りのパターンが存在していて、パターンが多いものだと1000兆を超えることまであります。
これだけのパターンが存在する鍵なので容易にピッキングでの不正開錠を行うことはできないです。
その他の不正解錠手口
不正開錠にはピッキング以外にも様々なものが存在しており、空き巣は様々な手口を使ってきます。
そのためピッキングの対策を行ったとしても、別の手口で鍵を開けられてしまうといったケースも少なくはないです。
どんな手口が存在しているのか学び対策を考えていくことが重要ですね。
カム送り
鍵内部のシリンダーを浮かし、そこに針金などを差し込んで開ける手口が「カム送り」です。
2002年ぐらいに出てきた手口で、一部の種類の鍵を狙って行われていました。
2024年現在はこの「カム送り」に対して、対策されている鍵のほうが多いですね。
サムターン回し
ドア鍵の内側についていて鍵の開閉ができるつまみのような部分を「サムターン」と呼びます。
ドアスコープの隙間などを利用して道具を差し込み、このサムターンを外側から回して不正開錠するのが「サムターン回し」です。
一時期はやった手口で問題視されたことがあり、ニ重ロックなどで対策する家庭が一気に増えました。
バンピング
バンプキーと呼ばれる鍵を差し込みハンマーなどで衝撃を与えることで不正開錠する手口です。
専用の道具さえあればピッキング・サムターン回しよりも技術無しで簡単に鍵を開けることができてしまいます。
日本では鍵の種類が豊富にあり、それに合ったバンプキーを用意しないといけないため使われにくい手口ではあります。
ドリルで破壊
最近の鍵であれば耐破壊性能を持っていますが、昔の鍵だと破壊に対する耐性が低いことが多いです。
そのため純粋にドリルを使って鍵を破壊するという力任せな不正開錠が通ってしまいます。
音などで目立ってしまいますし耐性のある鍵のほうが多いためそこまで使われない手口ですが、稀に使われることがありますね。
まとめ
今回はピッキングされやすい・されにくい鍵についてや他の不正開錠手口について、ご説明いたしました。
ピッキング対策している鍵が増えてきていますが、それに合わせて空き巣の手口も進化していっています。
全てを防ぐことは難しいですが、ニ重ロックにするなど防犯対策をしっかりと行っていくことが大切ですね。